イントロダクション
親孝行のつもりで母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹。長女・弥生(江口のりこ)は美人姉妹といわれる妹たちにコンプレックスを持ち、次女・愛美(内田慈)は優等生の長女と比べられてきたことを恨んでおり、三女・清美(古川琴音)は姉二人を冷めた目で観察していて、全員が「母親みたいな人生を送りたくない」という共通の思いを抱えている。温泉宿で繰り出される母親への愚痴は徐々にエスカレートし、お互いを罵倒する修羅場へと発展。そこに三女がサプライズで用意していた恋人・タカヒロ(青山フォール勝ち)が現れ、物語は思わぬ方向へ     
本作は稀代の映画監督・橋口亮輔が、キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位をはじめ数多くの映画賞を受賞した『恋人たち』(2015)から9年ぶりに放つ長編監督作。ペヤンヌマキが2015年に発表した同名の舞台を、橋口監督が脚色し、江口のりこ、内田慈、古川琴音、青山フォール勝ち(ネルソンズ)ら個性派・実力派のキャストをむかえたドラマシリーズが、このたび新たに再編集され映画となりました。家族という一番身近な他人だからこそ抱く不満や苛立ち、悲喜こもごもを、毒気を含ませつつあたたかく綴った家族ドラマの傑作が誕生しました。
あらすじ
親孝行のつもりで母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹。長女・弥生(江口のりこ)は美人姉妹といわれる妹たちにコンプレックスを持ち、次女・愛美(内田慈)は優等生の長女と比べられてきたせいで自分の能力を発揮できなかったと心の底で恨んでいる。そんな二人を冷めた目で観察する三女・清美(古川琴音)。三姉妹に共通しているのは、「母親みたいな人生を送りたくない」ということ。
母親の誕生日をお祝いしようと、三姉妹は夕食の席で花やケーキを準備していた。母親へのプレゼントとして長女の弥生は高価なストールを、次女の愛美は得意の歌を用意し、三女・清美は姉たちにも内緒にしていた彼氏・タカヒロ(青山フォール勝ち)との結婚をサプライズで発表すべくタカヒロ本人を紹介するつもりだったが――。
 
出演

プロフィール
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長女・弥生役
江口のりこ

プロフィール
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次女・愛美役
内田慈

プロフィール
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三女・清美役
古川琴音

プロフィール
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清美の彼氏・タカヒロ役
青山フォール勝ち(ネルソンズ)
長女・弥生役
江口のりこ
1980年4月28日生まれ、兵庫県出身。中学校を卒業後しばらくして、劇団「東京乾電池」のオーディションを受けるために上京し、研究性を経て2000年に入団。同劇団の公演に参加しながら映画『金融破滅ニッポン 桃源郷の人びと』(02)にてスクリーンデビューをはたす。『事故物件 恐い間取り』(20)では、第44回日本アカデミー賞助演女優賞を受賞。ドラマ「SUPER RICH」(21/CX)、「ソロ活女子のススメ」(21/TX)では主演を務め、多くの人気ドラマ、CMに出演、そのユニークなキャラクターで注目を集めている。
コメント
橋口さんの撮ったドラマが劇場版になりました。
やっぱり映画にしなきゃ!というのは、
誰もが思ったことだと思います。
是非映画館でご覧になって下さい。
次女・愛美役
内田慈
1983年3月12日生まれ、神奈川県出身。日本大学芸術学部中退後、演劇活動を始める。前川知大、前田司郎、三浦大輔、ペヤンヌマキなど新進気鋭の作家・演出家の作品に次々と出演しキャリアを積む。2008年、橋口亮輔監督の『ぐるりのこと。』で映画デビュー。その後、橋口亮輔監督の『恋人たち』(15)、『きみはいい子』(15)、主演作『ピンカートンに会いに行く』(18)、ダブル主演を務めた『レディ・トゥ・レディ』(20)、『護られなかった者たちへ』(21)、『決戦は日曜日』(22)、『夜明けのすべて』(24)、『水平線』(24) 、『毒娘』(24)などに出演。舞台や映画、テレビドラマ、声優など幅広いジャンルで活躍している。出演舞台「ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録-」が7月9日より THEATER MILANO-Za にて上演。 また、金曜ドラマ「9ボーダー」(TBS)出演中。
コメント
「2015年に出演したペヤンヌさんの
舞台作品を橋口さんが映像作品にする。
しかも当時と同じ次女・愛美という役で。
しかも江口のりこさんと古川琴音ちゃんとの三姉妹」
というオファーをいただいた時は色んなびっくりと嬉しさで
ご褒美みたいだなと感じました。
舞台版と映像版どちらにも出演する唯一の俳優部として
何ができるかなぁと考えながら取り組んだ時間は、
楽しく且つ挑戦の日々でした。
登場人物たちのそれぞれの言い分は置いといて(笑)、
「なんかこの感情知ってるな」と見つけることで浄化されたり、
または蓋をしていたモヤモヤと
改めて向き合う時間になったり……。
観てくださる方にとって、
笑いながらそんな機会になる作品であったらいいな……。
三女・清美役
古川琴音
1996年10月25日生まれ、神奈川県出身。2018年にデビュー。2020年、NHK連続テレビ小説「エール」に出演。2021年に出演した濱口竜介監督の映画『偶然と想像』が第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞。2022年のドラマ「アイドル」(NHK)でドラマ初主演を飾った。そのほか出演作に、映画『みなに幸あれ』(24)、大河ドラマ「どうする家康」(23/NHK)、「ACMA:GAME アクマゲーム」(24/NTV)などがある。また、待機作に映画『言えない秘密』(6/28公開)、『Cloud クラウド』(9月公開)などがある。
コメント
あの三姉妹を、大きなスクリーンで、
より多くのお客さんに観ていただけることがとても嬉しいです。
いびつで愛おしい家族の姿を、
橋口監督、スタッフのみなさん、
江口さんと内田さん、そして青山さんと、
たくさん笑いながら作りました。
公開をお楽しみにお待ちください。
清美の彼氏・タカヒロ役
青山フォール勝ち
(ネルソンズ)
1986年1月19日生まれ、島根県出身。4歳からアマチュアレスリングを始め、大学時代には全日本強化指定選手に選ばれた。学生時代にお笑いに目覚め、NSC東京校に14期生として入校、2010年、同期の和田まんじゅう、岸健之助とネルソンズを結成。2017年NHKお笑い大賞、キングオブコント2022などで数々の賞を受賞。ヨシモト∞ホールにレギュラー出演するほか、テレビ、ラジオ、YouTubeなどで活躍中。
コメント
橋口監督のドラマに出演したことが夢のような出来事だったのに、
映画化なんて夢のまた夢です。
面白い作品になってますので
全国の映画館でたくさんの方々に
現実かどうか確認していただきたいです。
原作・脚本
ペヤンヌマキ
1976年生まれ、長崎県出身。早稲田大学卒業後、2010年に演劇ユニット「ブス会*」を立ち上げ、以降全ての作品の脚本・構成・演出を手がける。「自分ごと」を起点に、現代に生きる女性のリアルをシニカルさと優しさが共存する視点で描いてきた。本作の原作となった舞台「お母さんが一緒」は、第6回ブス会*作品として2015年に上演され、第60回岸田國士戯曲賞最終候補に選出された。近年は小泉今日子プロデュース・主演のasatte produce「ピエタ」(原作:大島真寿美)の脚本・演出も担当。最新脚本・演出舞台に東京文化会館シアター・デビュー・プログラム「木のことThe TREE」(24)が控えている。また脚本家として、テレビドラマ「来世ではちゃんとします」シリーズ(20-23/テレビ東京/原作:いつまちゃん)、「特集ドラマ 雨の日」(21/NHK総合)なども手がける。映画監督としての作品に、2022年の杉並区長選挙に立候補した岸本聡子に密着したドキュメンタリー『映画 〇月〇日、区長になる女。』(24)があり、現在全国にて順次公開中である。著書に「女の数だけ武器がある。たたかえ!ブス魂」(幻冬舎文庫刊)などがあり、劇作家・脚本家・演出家・映画監督とマルチに活躍中。
監督・脚色
橋口亮輔
1962年7月13日生まれ、長崎県出身。92年、初の劇場公開映画『二十才の微熱』が劇場記録を塗り替える大ヒットを記録。2作目となる『渚のシンドバッド』(95)はロッテルダム国際映画祭グランプリ、ダンケルク国際映画祭グランプリ、トリノ・ゲイ&レズビアン映画祭グランプリなど数々の賞に輝き、国内でも毎日映画コンクール脚本賞を受賞。3作目の『ハッシュ』(02)は第54回カンヌ国際映画祭監督週間に出品され、世界69カ国以上の国で公開された。文化庁優秀映画大賞はじめ数々の賞を受賞。『ハッシュ』から6年ぶりの新作となった4作目の『ぐるりのこと。』(08)は、何があっても離れない夫婦の十年を描いて「橋口亮輔の新境地」と各界から絶賛を浴び、報知映画賞最優秀監督賞、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞(木村多江)、ブルーリボン賞最優秀新人賞(リリー・フランキー)など数多くの賞を受賞した。2013年、62分の中編『ゼンタイ』を発表。『ぐるりのこと。』以来7年ぶりの長編となった『恋人たち』(15)は、第89回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位、第70回毎日映画コンクール日本映画大賞、第58回ブルーリボン賞最優秀監督賞などなど、2015年の日本映画を代表する名作として数多くの映画賞を受賞した。本作は、『恋人たち』以来9年ぶりの長編となる。
撮影
上野彰吾
1960年生まれ。83年に日活撮影所に入社し、前田米造、高瀬比呂志ら名撮影監督に師事。94年、崔洋一監督『平成無責任一家 東京デラックス』で撮影監督デビュー。03年日活を退社しフリーに。主な作品に、『月とキャベツ』(96)、『バーバー吉野』(03)、『地下鉄に乗って』(06)、『時をかける少女』(10)、『愛を積むひと』(15)、『カムイのうた』(23)、ドラマ「遙かなる山の呼び声」(18、22/NHK BSプレミアム)など。『信虎』(22)で2024年インド・ノイダ映画祭最優秀撮影賞受賞。橋口亮輔作品は『渚のシンドバッド』(95)以降全作品で撮影を手がける。日本映画撮影監督協会(JSC)会員。
照明
赤津淳一
1959年生まれ、青森県出身。1983年、日活撮影所に入社。照明助手として『メイン・テーマ』(84)、『それから』(85)、『ミンボーの女』(92)などに参加。『さわこの恋 1000マイルも離れて』(95)で照明技師デビュー。主な作品に、『独立少年合唱団』(00)、『富江 re-birth』(01)、『地下鉄に乗って』(06)、『象の背中』(07)、『時をかける少女』(10)、『スノーフレーク』(11)、『俺たちの明日』(14)、『スタートアップ・ガールズ』(19)、『信虎』(21)、『百合の雨音』(22)などがある。
美術
仲前智治
1961年生まれ、岡山県出身。主な作品に『スクラップ・ヘブン』(05)、『パビリオン山椒魚』(06)、『フィッシュストーリー』(09)、『渇き。』(14)、『日々ロック』(14)、『新宿スワン』(15)、『お父さんと伊藤さん』(16)、『食べる女』(18)、『ぜんぶ、ボクのせい』(22)、『GOLDFISH』(23)、『白鍵と黒鍵の間に』(23)、『おまえの罪を自白しろ』(23)などがある。
録音
中村雅光
長野県出身。これまで録音を手がけた主な作品に、『彼女が結婚しない理由』(90)、『ムーンライト・ジェリーフィッシュ』(04)、『三十九枚の年賀状』(08)、『怪談新耳袋 異形』(12)、『劇場版 びったれ!!!』(15)、『地の塩 山室軍平』(16)、『インターン!』(16)、『くらやみ祭の小川さん』(19)、『でくの空』(22)、『パティシエさんとお嬢さん』(22)、『海岸通りのネコミミ探偵』(22)などがある。
整音
小川武
1963年生まれ、兵庫県出身。84年に映画界に入り、東陽一監督『化身』(86)で出会った録音技師、久保田幸雄に師事。『橋のない川』(92)、『深い河』(95)、『父と暮せば』(04)などに参加し、『フレンチドレッシング』(98)で録音技師デビュー。主な作品に、『海は見ていた』(02)、『天然コケッコー』(07)、『CUT』(11)、『浜の朝日の嘘つきどもと』(21)など。橋口監督作品への参加は『ぐるりのこと。』(08)、『ゼンタイ』(13)、『恋人たち』(15)に続いて4作目。『恋人たち』で第70回毎日映画コンクール録音賞、『ある男』(22)で第46回日本アカデミー賞最優秀録音賞を受賞。
編集
宮島竜治
1967年、神奈川県出身。日本映画学校(現・日本映画大学)卒業。大映京都の谷口登司夫に師事。1996年公開の長崎俊一監督『ロマンス』で編集技師としてデビュー。矢口史靖、西川美和、タナダユキ、中江裕司、山崎貴監督のほとんどの作品を編集。『スウィングガールズ』(04)、『ALWAYS 三丁目の夕日』(05)、『永遠の0』(13)、『ゴジラ−1.0』(23)で日本アカデミー賞最優秀編集賞を受賞。東京藝術大学大学院映像研究科客員教授。
音楽
平井真美子
音楽家。主に劇伴作家として活動。ドラマ「過保護のカホコ」(17/NTV)、「同期のサクラ」(19/NTV)、TV「にっぽん縦断こころ旅」(11~/NHKBS)、映画『白夜行』(11)、『恋妻家宮本』(17)等を手掛ける。12年、新進気鋭のアーティストに贈られるアメリカのS&R Washington Awardを受賞。近年は空間演出としての演奏やインスタレーションをライフワークとする他、アーティストへの楽曲提供、坂本美雨トリオ「birds fly」でも活動中。“とあるひ”と題して2019年末から創作してきたピアノ短編曲を集めたアルバム「とあるひ記録集」を2024年4月リリース。
オリジナル
原作・脚本
ペヤンヌマキ
スタッフ
監督・脚色
橋口亮輔
撮影
上野彰吾
照明
赤津淳一
美術
仲前智治
録音
中村雅光
整音
小川武
編集
宮島竜治
音楽
平井真美子